仏具とは

仏像・掛軸の種類やモダンな位牌の紹介と、仏具の名前など説明いたします。大切なのは感謝の気持ちを込めることなので、ご無理のない範囲おつとめしてください。


仏像とは

仏像とは、仏様の姿を形にした像のことです。木材や石の彫刻、粘土の塑像、乾漆、金属などで造られています。仏像の中でも寺院の本堂や仏壇の中心に安置され、信仰の対象となる最も大切な仏様はご本尊(ごほんぞん)と呼ばれ、宗派によって異なります。

天台宗・・・阿弥陀如来

真言宗・・・大日如来

日蓮宗・・・曼荼羅(掛軸のみ)

浄土宗・・・阿弥陀如来

浄土真宗本願寺派・・・阿弥陀如来

真宗大谷派・・・阿弥陀如来

臨済宗・・・釈迦如来

曹洞宗・・・釈迦如来



掛軸とは

掛軸とは、書画を布や紙で表装して、床の間などの壁に掛けられるように仕立てたものです。仏壇の掛軸は、仏様の絵像や名号など、宗派によって種類が異なります。信仰の中心となる仏様をご本尊(ごほんぞん)と呼び、その掛軸を仏壇のなかで一番高い段の中央に安置して、左右に脇侍(わきじ)という対になる掛軸を並べます。掛軸は「幅(ふく)」という数え方なので、ご本尊と脇侍を合わせた三幅で1セットになります。



位牌とは

位牌は、故人の戒名や姓名などを記したものですが、仏教発祥の地であるインドには、位牌というものがありません。位牌には、どんな由来があるのでしょうか。

古代インドでは、ストゥーパというお釈迦様の遺骨を納めた仏塔が建てられていました。仏教がインドから中国に伝わると、ストゥーパは卒搭婆(そとば)と音訳されて、戒名や没年月日などを書いて故人を供養する長い板に変化しました。また、中国では儒教の葬祭に亡くなった方の官位・姓名を書いた木主(もくしゅ)という板を用いていました。仏教と儒教の風習が日本に伝えられて合わさったのが、位牌の起源だといわれています。



五具足とは

香炉について

香炉とは、香を焚いてお供えするための仏具です。香には周囲を浄化して、焼香をした人自身の心と身体を清めるという意味があります。また、香りが部屋の隅々に行き渡ることから、仏様の差別・区別のない慈悲の心を表しているとされています。故人が香りを食べるという考え方もあるので、良い香りをお供えすると喜ばれるでしょう。

火立てについて

火立(ひたて)とは、ロウソクの火を灯すための仏具です。ロウソク立てや燭台(しょくだい)ともいいます。お供えをしたロウソクの火は灯明と呼ばれ、闇を照らして導いてくれる仏様の知恵を意味しています。

仏飯器について

仏飯器(ぶっぱんき)とは、ご飯をお供えするために盛りつける仏具のことです。浄土真宗では仏器(ぶっき)と呼びます。金属製や陶磁器など、色も形も様々な種類があります。

茶湯器について

茶湯器(さゆき・さとうき・ちゃとうき)とは、お水やお茶を入れてお供えする器のことで、茶器(ちゃき)とも呼ばれます。

花立について

花立(はなたて)とは、花をお供えするための花瓶のことです。季節を彩る美しい花が、仏様とご先祖様を慰めます。また花は仏様の優しい心の象徴であり、お供えする側の気持ちを穏やかにしてくれます。


高杯とは

高坏(たかつき)とは、お菓子など盛ってお供えする仏具のことです。器の部分が少し高い位置にあるのは、仏様とご先祖様を敬う気持ちの表れだとされています。



リンとは

リンとは、音を鳴らす仏具のことです。鈴や輪、鐘(しょう)、鏧(ろう)とも呼ばれます。澄み切った音色が邪念を払って、周囲を清浄にするという意味があります。お寺様が読経をする際、リンを鳴らして調子を取るのに使われます。また、リンの音は仏様やご先祖様のいる極楽浄土まで響き、お参りしていることを知らせるとされているので、心を込めて鳴らしましょう。